ぐちゅりと粘着質な音を立てながら、精を吐き出したばかりで未だ硬さの残る一物を抜く。それに引き摺られるようにしてヤスの後穴から収まりきらなかった白濁が溢れ出した。
何回分も抜かないまま溜め込んだ為か、粘度を持った液体はとろとろと絶え間なく流れ彼の内腿を汚している。
「ん……っ。は……ぁっ」
感極まった身はそれすら快楽と捉えるのか、時折小さな喘ぎが上がった。アナルも尾羽もぴくぴくと震え続け、絶頂の余韻が抜けきっていないことを如実に語っている。
愛しい恋人とのセックスに充足感を覚え、このまま抱き締めて眠りに付きたい所だがそうはいかない。
双循はベッドに腰を下ろすと、目の前の細い身体を抱き上げ自身の足の間に座らせた。そのまま凭れ掛からせるようにして、背後から緩く抱き竦める。
「ヤス」
名前を呼びながら頭頂部にキスを落とした。片手で腰を抱き、もう片方は彼の下肢へと伸ばす。
「あっ。も……無理……だから……」
「分かっとる。始末するだけじゃ」
乾いてしまう前に、中出ししてしまったものを掻き出さなければならない。今触るのは辛いとは思うのだが、このままでは身体に宜しくなかった。
本来ならば風呂場で行った方が効率が良いのだろう。しかし、この状態のヤスを連れて行くのは逆上せる可能性が高く少々危険であった。どうせシーツは互いの汗と精液その他色々なものでどろどろになっているので、洗濯の手間は大差ないとこの場で済ませることにする。
「双循……まだキツい、から……後で……っ」
「おどれ、このままだと寝落ちるじゃろ。そうやって前に文句言ったのはどこのどいつじゃ」
「あれはお前が……あっ、やぁ……ッ」
少し腫れぼったくなっている菊座に二本の指を入れ、軽く曲げた。そのまま引くと、中に満ちた白濁がこぽりと音を立てる。抜け出る寸前で指を拡げ、隙間から漏れさせた。
何度か繰り返し少しずつ掻き出すが、零れる精液の量に大した変化は見られない。己が出したものとはいえ、よくぞここまで入ったものだと一種の感嘆を覚えた。
「ふぅ……っ、ん、ん……あん……っ」
敏感な部分を弄られ続けているからか、ヤスの唇から甘い吐息が零れた。双循の首筋に頭を擦りつかせながら、襲い来る快楽を必死に堪えようとする様子につい悪戯心が芽生えてしまったのは仕方の無いことだろう。
腰に回していた手を上に滑らせ、胸筋を手の平で撫でる。その際、立ち上がったままの乳首がたなごころに引っ掛かりヤスに刺激を与えた。
「んぁ!?」
「あぁ、すまんのう」
「ひぁ……あんっ、てめえ、態と……ッ。あっ、あぁっ!」
乳首を手の平に収めたまま胸筋を揉むように動かす。その間も、下に埋めた指で掻き出すことを止めなかった。
上下で与えられる刺激に、ヤスの腰が僅かに動き始める。萎えていた筈の性器も、徐々にその硬さを取り戻していた。
肩越しに見るその卑猥な光景に、ごくりと喉を鳴らす。いつしか掻き出す動きは、快楽を与える為のものへと変化していた。
「そうじゅ、双循っ。もう止め……」
「……先に謝っとくけえ、承知せえ」
「えっ。あ……んんっ、だから……無理だって……ああああッ」
指を引き抜き、細腰を掴み持ち上げる。さり気に復活していた自身の陰茎の上にヤスのアナルを充てがうと一気に貫いた。
「あと一回、だけじゃけえ……っ」
「ふざけ……ん、なぁ……! …あっ、やぁぁッ」
背面座位を取ったからか、いつも以上に深く呑み込まれる。未だ残るローションと精液が滑りを良くしていた所為もあり、一息で奥まで届いた。先端が結腸に入り込む感覚に射精感が募り始める。
それを押しとどめながら、ゆさゆさと揺さぶりをかけた。疲れからか全身に力が入り切らないヤスは自力で動けなくなっており、双循の腕力と腰だけで行われる抽挿は互いの欲を煽るだけで決定的なものを齎さなかった。
あと一歩が、どうしても足りない。
「……くっ」
双循は一度引き抜くと、ヤスをうつ伏せに押し倒した。腰を高く上げた体勢を取らせ、直ぐ様に剛直を埋める。その際、しなやかな両足を己の足で挟み込み臀部が締まるように仕向けた。
再び奥まで突くとヤスの背中が跳ね、広がった尾羽が双循の胸を叩く。滑らかな感触に、劣情が一際強くなるのを感じた。
「ひぁぁっ! あっ、や……、止ま……っ」
静止の声が上がるが今更止まれる訳がない。最奥まで届かせた陰茎を勢い良く引いた直後、次は浅い部分を重点的に責め立てた。
腰を動かす度、中に残る精液が撹拌される音が四つの耳に届く。閉じることを忘れた唇から上がり続ける嬌声がそれに重ねられる様は、双循の欲を更に刺激するものだった。
音を楽しむように掻き回しながら結合部位に視線を落とす。きゅうきゅうに締め付ける媚肉から自身を抜き差しする毎に、掻き出しきれていなかった精液が溢れるのを惜しいと思った。
蓋をするように、ぐっと腰を押し付ける。双循の動きに伴い、胸に沿わせていた青い尾羽が背に付く程曲げられるが痛みは感じていないようだった。
「ひぅ……うぁ、ああ……っ。そじゅ、双循……!」
「なんじゃ」
「それ……気持ちい……から……っ。もっと、奥、突けよ……ッ」
つい先程には静止を願っていた口で、真逆の行動を強請るヤスの淫猥さに口角が上がる。色事など何も知らなかった少年をこうしたのが自分だと思うと、昏い幸福が胸の内を満たした。
「止めろ言うても、止まらんからな……っ」
ヤスの細い両腕を掴み、上半身を引き起こして膝立ちの体勢をとる。そのまま一気に奥まで突き刺すと、重力に従った身体は肉棒を更に飲み込もうと蠢動を起こした。
「ああああっ! あっ、あぅ……ひぅん!」
それに逆らう様にして腰を引き、再び最奥を目指す。がつがつと繰り返し穿つ度に、ヤスから甘やかな鳴き声が上がった。
双循の動きが激しさを増すしていくのと比例して、限界も近くなる。
もう出ると覚った瞬間、ヤスを一層強く引き寄せ隙間など無くなる程に深く突き刺した。
「双循、そうじゅん……っ!」
「ヤス……ッ」
互いの名を呼び合いながら精を放つ。全てを中に出し切ろうとして、吐精しながらの律動を続けた。
つと、ヤスの身体から全ての力が抜ける。
「……落ちよったか」
逸物を抜き、射精とほぼ同時に意識を手放した恋人を先程と同じように背後から抱きかかえる。すると、体勢を変えた為か加減なく愛されていた穴から再度白濁が溢れた。なんとなしに指先でそれを拭うが、収まる気配は一向にない。
掻き出しきれていない中に新たに注いだのだから、当然といえば当然である。
今度こそ処理をしなければならないが、後始末をするどころか逆に無理を強いた自覚はあるので、起こしてしまうのは忍びなかった。
「やれやれ、仕方ないのう」
自覚がありながらも、飄々と戯れを口にする。
双循はヤスの背と膝の下に腕を通すと、そのまま意識の無い身体を持ち上げた。所謂横抱きの体勢を取り、風呂場へ向かうべく足を向ける。
最初から意識がなければ、無茶をして逆上せる心配もない筈だ。手ずから全身を磨き上げ、髪も乾かし肌触りの良い夜着を着せる。そうして愛でた後には、恋人を抱き締めながら眠りに就くことを決めた。
きっと、翌朝には盛大な文句の後に小さな感謝を告げられるだろう。
風呂場への道中、八咫烏を抱えた狛犬の尻尾は上機嫌に揺れていたのだった。
えろ習作用に書いてたもの。比喩表現でなく直截的な言葉で書いてみようチャレンジ(?)でした。